部分入れ歯/Removable Partial Denture
保険の部分入れ歯
保険診療は日本全国どこでも同じやり方で、かつ安価に受けられるとてもよいシステムだと思います。しかしながら、診療を行う側からみると、決められた材料、決められたやり方以外のことは行えず、たくさんの制約があり、残念ながら自由診療との差ができてしまいます。その保険診療と自由診療に最も差がある部門が入れ歯だと言えます。お顔にあった歯を自由に選ぶことすらできません。
特徴
(a)はりがねの形が両翼鉤と呼ばれるもので、かむ力が歯を抜く力に変化してしまいます。
(b)はりがねがスープラバルジという形なので歯の自浄作用が阻害され、汚れが着きやすい形態です。
(c)ガイドプレートを作れないので歯の隣接面 の歯肉を圧迫してしまいます。
(d)プラスチックだけでつくられるので、厚みがあり、強度も劣ります。

かんだときに床が沈下し、歯を引き抜く力が発生します。

金属のはりがねをプラスティックに埋め込んだ構造になっています。
自由診療の部分入れ歯
入れ歯の設計にはいくつかの理論がありますが、アメリカ南カルフォルニア大学ロサンゼルス校のクラトビル教授のアイバー理論は広く認められる理論の一つです。
特徴
(a)はりがねの形が工夫され、かむ力を歯に垂直に伝えるので、残っている歯に負担が少ない入れ歯です。
(b)はりがねがインフラバルジという形なので歯が汚れにくくなっています。
(c)広いガイドプレートのため歯の周囲の歯肉を保護します。
(d)特に奥歯がない場合、残っている歯の負担を少なくできます。
(e)金属の一体型なので薄く、強くできます。

床の沈下時に針がねも沈下するので、
歯からはずれ無理な力が加わりません。
歯からはずれ無理な力が加わりません。

全ての装置が一塊の金属でできています。
治療の流れ
1. 診査・診断
● 治療についての相談と説明
● 病歴・健康状態の診査
● お口の中の診査
● レントゲン写真・かみ合わせの診査


2. 初期治療
部分入れ歯は残っている歯を利用しますので、残っている歯やお口の中全体が健康でなければ成功しません。

根、歯周病の治療だけでなく歯並びの治療や、かみ合わせの治療が必要な場合もあります。

根、歯周病、歯並び、かみ合わせの治療が終了したところです。

2度目の仮歯、仮の入れ歯で最終設計を考えます。
3. 部分入れ歯の製作

最終型取りと模型の製作

かみ合わせの決定

フレームの製作
4. 部分入れ歯の完成
長い年月使用する間にはメインテナンスが重要です。時には修理が必要となるときもあります。

1995年

2003年

2009年
